花札🎴のデザインってなかなかに美しいですよね。その芸術性に最近気づいて、花札について色々調べていたら色々欲しくなってしまい、気がついたらたくさん買ってしまいました。せっかくなので、レビューとか比較とかをしてみたいと思います。
新しい花札を購入したら随時追加予定。
予備知識
花札の製造会社
wkipedia情報によると、日本で花札を製造しているのは主に以下の四社ということなので、今回はこれらの花札を適当に買ってみました。
大石天狗堂
創業は江戸時代の1800年(寛政12年)、かるた製造卸販売の老舗である。[wikipedia]
任天堂
1889年に創業した老舗企業で、娯楽に関するさまざまな事業を展開している。[wikipedia]
田村将軍堂
1921年(大正10年)創業の、百人一首や花札などのかるた製造卸販売の老舗である。「将軍堂」ともいう。[wikipedia]
エンゼルプレイングカード
エンゼルプレイングカード株式会社(英称:Angel Playing Cards Co.,Ltd.)は、京都府京都市下京区に本社を置く、トランプを主とするゲーム用カードの製造販売をおこなう企業である。設立 1956年11月28日。[wikipedia]
花札を作成しているだけあり老舗が多く、これらのすべてが京都に本社を置く企業です。
花札の製造過程
花札の製造プロセスの動画があったので貼っておきます。大石天狗堂のものです。
開封編
ダイソー
厚紙に印刷しただけって感じですね。当然安いですが、花札自体そんなに高いものではなく、有名メーカーのもので1000円以下で買えるものもあるので、これを買う意味はないと思います。
都の花(任天堂)
任天堂のスタンダードな花札で現行のものは「大統領」「丸福天狗」「都の花」の三種類があります。グレードは大統領>丸福天狗>都の花の順番です。当然全て機械貼りです。使用している紙の種類が違うようで、その差がグレードの差になっています。また大統領、丸福天狗はワンプッシュのケースに入っています。個人的にワンプッシュのケースがあまり好きではなかったので、都の花を買ってみました。
透明のケースの中にさらに紙の箱に包まれて入っている感じです。この透明のケースは同価格帯のプラスチックケースの中では一番好きかもしれません。
札のクオリティとしては普通です。札は真っ平らなタイプで、触り心地は若干ツルンとしています。高級感はなくて、というか安っぽいですね。まあ実際に安いので当然でしょう。
デザインとしてはかなりオーソドックスになっています。最もスタンダードな花札の一つと言っていいでしょう。
大統領(任天堂)
現行の任天堂の花札で一番グレードの高いものがこの大統領です。
都の花を買ったので、大統領の方は買うつもりはなかったんですが、おそらく一番売れている花札であるため、比較するならさすがにないとだめかなーと思って買いました。
大統領(と丸福天狗)の特徴として、ワンプッシュの特殊なケースに入っています。個人的におもちゃっぽいのであんまり好きではないのですが、実用性は他のケースよりも高いと思います。
札のクオリティとしては普通です。都の花よりも良い紙を使っているらしいですが、違いはしょうじきよくわからなかったです。別に高級感はありません。値段も実際のところ大差ないので、都の花と大統領はケースの好みで選べばいいと思います。
金天狗(大石天狗堂)
大石天狗堂のスタンダードな花札で現行のものは「金天狗」「銀天狗」「リンカーン」があり、すべて同じ製法で製造されています。検品にて品質ごとに分類され、グレードは金天狗>銀天狗>リンカーンの順番になります。このラインは全て機械貼りです。
札はプラスチックケースに直接入っています。
札のクオリティに関しては、同価格帯の「都の花」「大統領」「元禄」と比べて明らかに高いです。特に顕著なのが音で、音が同価格帯のものと比べて高級グレードのものに近いと感じます。また、しっかりと反っているのも高評価です。手触りも同価格帯のものよりは良いですが、高級品との差は感じました。
札のデザインは少しだけ特殊かもしれません。黒が都の花、赤が金天狗ですが、金天狗のほうが線が細い感じですね。デザインは任天堂のほうが好みです。ホトトギスの目なくない?
元禄(エンゼルプレイングカード)
エンゼルプレイングカードの現行の花札としては「千鳥」と「元禄」があり、グレードは元禄>千鳥のようです。どのようにグレードが別れているのかはわかりません。
ケースの形状はオーソドックスなものですが、なんか安っぽいので嫌いです。
札のクオリティははっきり言って微妙です。ツルンとしていてかなり安っぽいですね。都の花と似ていますが、それを更に安っぽくした感じです。
これをわざわざ選んで買う意味はないと思います。
紫宸殿(田村将軍堂)
紫宸殿は田村将軍堂の花札で最高級のものです。といいつつ、田村将軍堂が製造している花札のうち現行のものは「紫宸殿」と「京舞妓」の二種類のようです。この2種類にはグレードの差はないものと思われます。どちらも手貼りで作られています。
元々は以下のサイトにあるように種類が色々あったみたいですが、他のものは廃番みたいですね。悲しい。
高級そうな桐箱に入っており、本体はなんか和菓子が入ってそうな紙に包まれていました。
紫宸殿は職人による手作り(手貼り)で作られています。製法について公式サイトがあったので、興味ある人は見てみてください。
札のクオリティは高いです。音は金天狗と似ており、かなり良いです。音に関しては安価なグレードのものとは明らかに差があると言っていいと思います。
触り心地に関しては金天狗よりもごわついている感じで、個人的には紫宸殿のほうが好みです。札は反らせてあります。
また札のデザインは個人的に田村将軍堂のものが一番好みです。写真だとわからないですけど、色合いがいいですね。
ところで、画像じゃわからないですが、この3つを並べると任天堂は明らかに札のクオリティが低いですね。
京舞妓(田村将軍堂)
紫宸殿と同じく桐箱に入っており、なんか和菓子が入ってそうな紙に包まれています。
札のクオリティは高いです。
京舞妓の特徴として、札のサイズが少し大きいです。また絵柄のデザイン自体は紫宸殿と同じですが、色が違っていて、京舞妓では緑や茶色が塗り分けられています。
また反りの向きも異なっていて、金天狗や紫宸殿は短辺方向に曲がっているのに対して、京舞妓は長辺方向に反っています。個人的には京舞妓の反り方のほうが使いやすい気はします。
また表面の紙質が違っていて、紫宸殿はざらざらしていますが、京舞妓はペタッとしている感じですね。
あと、箱の蓋がけっこう緩めでした。紫宸殿は蓋を持って持ち上げても大丈夫だったんですが、京舞妓は蓋を持って持ち上げると蓋だけ持ち上がる感じです。これは持ち歩く場合はけっこうな不便ポイントですね(これは紫宸殿と京舞妓の差というより桐箱の個体差だとは思います)。
私は蓋の内側にボンドを塗ることで厚さを増して、蓋が簡単に外れないようにしました。
まとめ。
個人的な札のクオリティランキングとしては
京舞妓=紫宸殿>金天狗>>>大統領=都の花>元禄>>>ダイソー
って感じです。個人的に大統領以下と金天狗以上の差が大きいと感じました。なので、金に糸目をつけないのであれば「紫宸殿」、コスパ重視なら「金天狗」がおすすめです。
とはいえデザインの好みがありますので、その辺りも加味して好きなのを選べばいいと思います。
変わった絵柄の花札
以下では少し変わったデザインの花札を紹介します。
毒花札(キタミ堂)
毒をテーマにした花札です。ゲームマーケット2024秋にて購入。
キタミ堂のデザインで、大石天狗堂が製造しているらしいです。ケースも大石天狗堂の花札と同じものに入っていました。
毒合わせ、毒こいこい、毒神経衰弱とかで遊べるらしいです。
小町紅(キタミ堂)
ゲームマーケット2024秋にて購入。
<小町紅>は、本家の花かるたから枝分かれして生まれた花かるたで「分家の花札」とも呼ばれます。
キタミ堂のデザインで、田村将軍堂が製造しているらしいです。桐箱は紫宸殿のものと同じものでした。本家の花札にない植物や動物が使われていて面白い感じですね。
ちなみに、小町紅は25月~36月で、本家の紫宸殿が1月~12月ということらしいです。
13月~24月は「天の川」というキタミ堂の花札があります。ゲームマーケットで天の川と小町紅を迷って小町紅を買ったわけですが、こういうことされると天の川も欲しくなりますよね。次のゲームマーケットでもし売っていたら買ってしまうかもしれないです。
ところで、紫宸殿と混ぜて使うことができると書いてあるんですが、問題点として紫宸殿は短辺方向に反っているのに対して小町紅は長辺方向に反っているんですよね。これはどうなんでしょうか。
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